研究が思うように進まず気分が沈んでいる学生も少なくはないと思います。
僕自身、研究が進まず落ち込んだ時期もありました。しかし、研究にめげずに取り組んだ結果学会賞を受賞することもできました。
こうした経験から考えると研究が進む瞬間には共通のことをしていました。
この記事では、研究が停滞するときと進むときについて解説します。
研究の停滞を感じるとき
研究は目に見える成果が出るまで時間がかかるので、実際に停滞していなくても停滞していると感じることが多くあります。
いったいどんなときに停滞を感じやすいのでしょうか?
研究テーマが見つからない
実はこれが一番大変だったりするのですが、研究テーマが定まらない内は、何も進まないです。
- 現状、世界の論文ではどこまで主張されているのか?
- 自分の研究室では何ができそうか?
- どんなニーズがあるか?
これらを満たすテーマを見つけることはかなり大変です。しかし、見つけない限り研究がスタートせず論文をまとめられません。
ここでもがく学生も多く、テーマがない状態が続くと研究をやってる感もなく、絶望感も大きくなります。
研究の方針が決まらない
研究テーマが決まっても、その研究の方針(進め方や最終・中間目標)が明確にならなければ研究が進みません。例えば、
- 実験を通してどんな主張が出来そうか?
- どんな実験ならその主張に根拠をもたせられるか?
- ダメだったら他の案はあるか?
研究の方針を決める段階は力量を試される場面の一つで慎重になりがちですが、反面停滞も多い時期です。
成果が出ない
いざ実験を始めても、思ってたのと違う結果、どう考察したらいいか分からない結果が出たりして研究が進まないと感じることがあります。
結果が好ましくなくても「上手く行かないことがわかった」という意味では前進なのですが、目に見えた成果でないと堪えるものがあります。
そもそも実験によっては結果すらでないこともあります。
僕の先輩はB4〜M2の三年間で一つしか実験データが出ずそのデータのみで修論を乗り切ってました。
勉強と研究の違い
研究が行き詰まったとに増す考えたいのが「そもそも研究とは何か?」です。
世間一般では研究と勉強が区別されておらず、以下のように解釈されています。
✖ 研究 = とことん勉強すること
研究室に配属されたら分かる通り、研究と勉強は全くの別物なのです。
勉強とは世界の誰かが解明したことを知ることです。すなわち教科書や論文など誰がたどり着いた答えを自分の知識に入れ込むことです。
反面、研究とは世界の誰も知らないことを知ろうとすることです。誰も知らないことを知る試みをし、それを世界に報告していきます。人知を広げる行為です。
〇 研究 = 人知を広げること
教科書で例えるなら、教科書を読むのが勉強、教科書を書くのが研究です。
研究が進む瞬間
先に述べたように研究とは、人知を広げ教科書を書くことです。すなはち研究は人知を超えた瞬間に進めることができるのです。
人知を超える瞬間とは
人知を超えるとは大変なのでことに聞こえます。もちろん容易ではないですが、例えば、研究テーマを見つけただけでも、新しい問題を発見できたという意味では人知を超えた瞬間でもあります。
さらに、研究が進む瞬間とは研究が停滞するときと逆のことが起きるとも言えます。
どうやったら人知を超えられるか?
どのようにしたら人知を超える瞬間は訪れるのでしょうか?
そう簡単にできることではないです。しかし、限られた人だけができることでもないのです。
その答えは、「誰かと議論をしたとき」です。
自分ひとりの頭で考えようとしても、必ずどこかで行き詰まりが生じます。しかし、人と議論することで新しい知見を取り入れられ、研究に新しい道が見えてきます。
このような考え方を知った瞬間とは自分にとって新しい道が開けた瞬間に思えます。そして、その研究テーマや研究方針、考察は世界で誰も(あるいは一部の人しか)たどり着いてないものでもあります。
議論で新しい道が開けた瞬間こそ人知を超え、研究が進む瞬間なのです。
議論を申し込むのはときに勇気がいるかもしれませんが、その勇気が自分の研究を大きく進める第一の要因なのです。
まとめ
研究が停滞するときと進むときについてお話ししました。
勇気をもって分からないことや悩んでることを議論してもらい、研究を進めていきましょう!
ありがとうございました!