【失敗談】怖すぎて間違いを隠した話【研究】

怖すぎて間違いを隠した失敗談

この記事では僕の持つ失敗談を共有したいと思います。

僕は大学4年生の時に失敗を犯しました。それは論文に載せる実験データが間違っていたのにそれをしばらく隠していたことです。

早めに間違いを報告すれば無駄に悩む必要はなかったのに、教授たちが怖すぎてなかなか言い出せずにズルズル引き伸ばし、問題を大きくしてしまいました。

成功は話にはパターンがないことが多いけど、失敗には必ずパターンがあると思います。ぜひこの話も皆さんが同じ失敗をしないため予備知識にしてもらえればと思います。

失敗談

論文を書くことになった

話の始まり

僕は大学4年のときに配属された研究室で研究を始めました。開始して3ヶ月くらい経った頃、半分は運ですが、良い研究成果を出すことができました。

この結果は教授や先輩方が成し遂げたかったことの一つだったらしく、論文にしようという話があがりました。

正直、当時僕はその研究結果がどれくらい重要なのかイマイチ理解できておらず、

「なんかわかんないけどラッキー」

くらいで考えていました。

今考えるとこの軽視が失敗に繋がったのだと思います。

間違い発覚

初歩的なミス

僕が犯した間違いとは論文に載せる数値が間違っていたというものでした。

エクセルで平均を出したのですが、カンマを一つ多く打ってしまいました。そして載せるべき値が狂ったのです。

いつこれに気づいたのかは覚えていないのですが、気づいたときには論文が途中まで書き進められていて教授方に査読提出前の確認をしてもらっている時期でした。

そして僕はこれよりまずい間違いを犯しました。それはこの間違いを隠すということでした。

怖すぎて隠した

一番の過ち

当時所属していた研究室の教授はとても厳格な人でした。作成中の論文のデータに誤りがあったなんて言ったらこっぴどく怒られると思い、その恐怖に負けて僕はこの間違いを隠しました

計算すれば間違ってることはすぐバレるのですがもはや正常な判断が出来ていませんでした。

結果から話すと合計3ヶ月ほどこのミスを隠していました。

隠してる間の無駄な迷いと罪悪感

愚かな浪費

もちろん間違いを黙っていることも恐ろしかったです。

こんなふうに迷ったり正当化しようとしていました。

そして罪悪感にも襲われました。なぜならこの論文は一緒に研究していた先輩の博論にも載るからです。

当時は博士の先輩と一緒に研究をしていました。なのでこのデータの間違いは自分だけの問題ではなく先輩の間違いにもなります。

その状況が罪悪感を加速させていました。

今考えれば先輩だけでなく、その論文に名前が載る全員の間違いになるので、もっと重く考えることを考えるべきでした。

先輩に間違いを報告

冷静になってからの判断

ずっと隠し3ヶ月が経とうとし、論文が査読に通されました。

嘘が真実になろうとしていました。

この辺から謎に冷静になり、「本当に誰も確かめないんじゃないか?」と思い始めました。

でも、冷静になれたからこそ、ハッと気付きました。

色々な想像が頭をめぐり、いよいよ間違っていたことを話そうとしました。

まずは先輩に論文のデータに間違いがあることを告げました。先輩は自分も気づけなかったから、とすんなり受け入れてくれました。

それでも告げられなかったこと

データが間違っていたことは正直には言えたのですが、この事実をしばらく黙っていたことは言い出せずにいました。

実は未だに隠していたことは誰にも伝えられてません。

当時はやっと重荷を降ろせた感覚でしたが、今考えると、別の嘘をついているだけでした。

教授たちの反応

意外な反応

先輩に間違いを告げた後、すぐ教授たちにメールで同内容を報告しました。

助教授は「大丈夫だよ、公開されてからだと色々めんどくさいんだけどね」のように励ましてくれました。

教授からは「気付いてから素早く対応したのはよかったと思う」というコメントでした。

このコメントがこころ苦しかったです。なぜならこの本当は気づいてから3ヶ月間経っているからです。正直この嘘は今でもついたままです。未だに打ち明けることができていません。

査読者にも訂正を送り、その後正しいデータで論文はアクセプトされました。

伝えたいこと

この失敗での学び

間違ってしまうのはしょうがない、だけどそれを早く報告しないと、ダメージは増していきます。

間違いを打ち明けるその瞬間はしんどいかもしれないけど、それは一瞬で、隠したり嘘をつくと長期化し精神的ダメージが大きくなる。

そして先生や周囲もミスなんてのはすぐ受け入れてくれる。なぜならきっと彼らもミスを経験して許されたことがあるから。

もちろん間違いを打ち明けることはとても勇気がいることです。

おそらく正直に話した方が後々楽なことも皆さん想像がつくと思います。でも、それがわかっていても「もしかしたらバレないかもしれない」「怖すぎて言えない」という思いが邪魔すると思います。

その気持ちは痛いほどわかります。でも言うしか楽な道はないんです。

もし勇気が出ないなら、直ぐじゃなくても良いから、次の日でも良いから、事態が大きくなる前に打ち明けるべきなんです。

もしバレなくても後悔が残ります。学生時代の研究は辛くても後から振り返ると誇りになります。その誇りに傷を傷つけてしまうことになります。

自分のために仲間のために勇気を振り絞って言うほうが良いのです。

僕はデータが間違っていたことについては打ち明けることができましたが、それをしばらく隠していたことは黙ったままで卒業してしまいました。先生や先輩方に嘘をついたままです。

正直、間違いが発覚した時点で言えばこんな後悔はしなくて済み、論文作成にももっと集中できたいたと思います。

いつか先生と先輩とで集まれた時、打ち明けられればと思っています。

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