この記事を読んでいる人の中には就職するか大学院に進むか迷ってる方も多いと思います。
実際、大きな決断ですし、院は少なくとも二年間あり、その後のキャリアにも影響します。
個人的には迷ってるなら行っても良いと思うのですが、やはり考えなしに決断するのは危険です。
この記事では院進学を迷ってるなら考慮しておきたいデメリットについて紹介したいと思います。
少しでも参考になればと思います。
先に言いたいのですが、進学するしない、どちらを選んでも熟考した後の結果ならそれが正しい決断です。
給料的には微妙
よく教授たちが入社してからの給料が良いと言って院進学を勧めますが、正直お金だけで考えると微妙です。
考慮するべきは以下です。
まずは学費についてはです。
当然ですが学費がかかります。学校にもよりますが私立だと年間約100万円なので二年間で200万です。
そして学費がかかるものだけでなく就職していたら貰えていたはずの給料も貰えないことになります。
例えば学部卒で初任給で手取り20万だったとして、二年間で480万は貰えるはずですが院進するとこれも貰えません。
したがって院進すると学部卒より合計約700万円くらい金銭的にマイナスになります。
もちろん院卒の方が入社してからの給料は良いことが多いかもしれません。しかし、例えば院卒のほうが年間50万多く給料を貰えたとしても(かなり多い方)700万をペイするまでに14年かかる計算になります。
さらに学部卒も二年の間で昇給していれば院卒との給料は縮まります。
なので院卒だからといって給料が高いとは言えません。
このような背景からお給料的には微妙と言えます。
専門性を発揮する機会は限られる
院に行って得られることで真っ先に挙げられるのが専門性だと思います。
しかし、院でやっていた研究をそのまま企業でやれることはまずありませんし、就職で同じ業界に入れないことも多いです。
また、学部卒であれば院卒より2年間の実務経験があり、そのなかで専門知識も付いてきます。
すなわち、院で学んだ専門性が社会に出て活かされない、または、学部卒でも専門性を得られることから専門性を目指すのも微妙です。
リタイアが多い
実は大学院に入ったはいいものの修了できずに自主退学するケースも少なくありません。
途中でやめてしまう原因はさまざまですが、精神的に参ってしまうこともよくあるケースです。
・研究テーマをみつけられない
・結果が出ない
・セミナーが怖い
・漠然とした不安が押し寄せる
などで精神的に追い込まれることがあります。
院生で心が折れたことない人などいないです。でも、わかっていても辛いものは辛く、学校に行けなくなったりして最終的に辞めてしまうことは決して珍しくないです。
院に進むとは少なからずそのようなリスクを背負うのです。
進学する意味を見出すのが難しい
ここまでの説明をまとめると、
金銭的なメリットは少ない、専門知識は増えるけど活かしにくい、なのに辛い
別に研究者を目指しているわけではない場合は大学院に行く意味あるのだろうか?と疑問が出てきたと思います。
実際、僕も僕の友人も院に行った意味を見出さなければと焦っていた時期もありました。
しかし、僕はここまで紹介してきたデメリットを背負ってでも院に行く意味はあると思っています。
院に進むメリット
大学院で研究に真剣に取り組むと、人生を豊かにする要素を自然と身につけることができます。(変なカルトっぽい言い方ですが本気で言ってます)
院では研究を行うので思考力、行動力、やり抜く力などが養われます。
院でがんばれたなら社会に出てからも頑張れるはずですし、困難があっても柔軟に対処できる、または、そもそも困難と遭遇しないような工夫ができるようになります。
そして、一定の研究成果を上げることができたらそれは一生の誇りになり、今後の自分を自信というかたちで支えてくれます。
もちろん院に進むとは大きな投資です。しかし、研究に真剣に取り組む自信があるならかなり高い確率でリターンの方が勝ります。なぜなら、投資は期間が長ければ長いほどリターンが多くなるからです。
院生とは基本的に若く、若いうちに思考力や行動力を身につけていると、これからの人生でその能力を発揮する機会が多く、自己投資した恩恵も比例的に増えるからです。
ただし、これは研究に真剣に取り組んだ場合のみです。学生を続けたいから、就職したくないからなどの逃げの理由なら院に進むことはお勧めしません。おそらく院に進む方が辛いです。
院で身につくことを詳しく書いた記事もありますのでこちらを参考にしてぐださい。
まとめ
これらのリスクを背負っても研究に真摯に取り組めばメリットの方が大きい。ただしメリットが生まれるのは研究に真剣にとりくんだときだけです。
繰り返しになりますが、筆者は大学院進学をおすすめしています。
ただ、どんな選択をしてもちゃんと考えた結果ならそれが正解ですし、後悔はしないはずです。
頑張ってください!
ありがとうございました。