効率よく作業を進めるためにはどのような工夫があるのでしょうか?
すでにたくさんの方法がネットや本で紹介されています。
しかし、複数ある方法の中から自分にあったものを見つけるのも時間がかかります。
この記事ではどんな方でもとりあえず実践できるもっと基本的な仕事の進め方を紹介したいと思います。
この記事で紹介しているものは大学院での生活向けに書かれたものですが、社会人にも役立つものです。
実際に私はこの方法を大学院で実践し、最終的に研究成果が認められ、卒業時は学科総代になることができました。
その方法とは、『70点ルール』です。
100点を目指すのではなく、長期間70点を出し続けるということです。
作業の完成度を70点にするだけでなく、一日のがんばり度合も70%くらいにとどめるというものです。
紹介していきます。
そもそも全力の70点とは
持久力を意識した出力
ここで言う70点とは「一週間後に疲れがたまらない程度の出力」です。
完璧や100点を出すと次の日以降に疲れが残ってしまい長期間での生産性が落ちてしまいます。
疲れを残さず長期で高い生産性を維持するために、一日のがんばり度合やタスクの完成度を70%くらいでとどめておきます。
これが70%ルールの基本です。
合格ラインのちょっと上
大学では60〜65点を取れれば単位は出ます。
なので一日のタスクでも最低限をこなせれば60点の成果が出たと言えます。
ここから+10点だけ頑張って一日の成果を70点にしていくのです。
このもう少しはなんでも良いのです。すでに一日の最低限のタスクをこなしているので、優先順位の低いことでOKです。
実はこの少しの作業が積もっていくと将来のヒントになったりします。積立投資みたいな感じです。
なぜ70点が優れてるのか?
100点は持久力がない
一つひとつの作業を全て100点まで押し上げようとすると時間が足りなかったり、疲れが溜まってしまいます。
人は人が思っている以上に疲れを感じにくく、そして疲れでパフォーマンスを落としやすいのです。
たとえ今日100点の成果が出せても、明日それを再現することは難しく、一ヶ月後には成果がなかなか出なくなりモチベーションも下がってしまいます。
大学院は基本的に最低でも2年間あるので、高いパフォーマンスを維持することも大切です。
疲れがたまらない
長期間良いパフォーマンスを維持するには疲れを溜めないことが大切です。
我々は「疲れない」ことはできません。しかし、「寝れば回復するくらいの疲れ方」ならできます。
それが頑張りすぎないことです。
一日の作業を最低限はこなし、頑張りすぎない程度に止めることで疲れすぎを防止できます。
上図のように最初は完璧を目指したり、一日で長時間がんばって作業した方が成果が大きいです。しかし、時間とともに効率が落ちてくるので2か月くらい経ったらトータルの成果は70点ルールと同じになります。それ以降は70点ルールの方が大きい成果が見込めます。
+10点の恩恵
繰り返しになりますが、70点ルールとは一日のタスクを60点でこなし、+10点分だけ頑張ることです。
この10点をどのように使うかは自由なのですが、タイミングによりおすすめの使い方が異なります。
✓ 締め切りなどが遠い時 → 業務効率化
✓ 締め切りなどが近い時 → 主な作業の追い込み
締め切りが遠いとき
締め切りが場合は日々の作業を効率化するような作業に+10点を当てます。
とくに、データの整理や自動化ツールの作成は一度してしまえば次の日以降の作業がずっと楽になります。
たとえ1分の時短になるマクロを組むのに1時間かかっても良いんです。
毎日そのマクロを使えば2ヶ月で元が取れます。さらにそれ以降は得になり続けるからです。
締め切りが近いとき
締め切りが近いなら目の前のゴールに集中しましょう。
学会や中間報告、セミナーなどが近い場合はその取り組みの追い込みをするために使います。
毎日70点を出す方法
一日のタスク作り
一日のタスクは締め切りから逆算して作ります。
締め切りまでに必要なタスクを大雑把に書き出し、それを一つずつクリアしていくために必要な中間ゴールを決め、いつまでに何をやるかも決めます。
そうするとおのずと今月、今週、今日で必要なタスクが見えてきます。
毎日帰る前に明日のタスクを書き出すのです。
このときタスクの数は5〜7個にします。多すぎると朝のモチベーションが下り、少なすぎても緊張感が薄れ集中して作業することが出来なくなるからです。
明日ちょっと楽になるような工夫
先述した通り70点ルールとは以下です。
実は、この10点に将来の効率の良さが託されています。
まずは机の掃除をするだけでもいいので効率化を図ってみてください。それだけでも改善されます。そして明日以降の作業もはかどります。
作業効率化とは投資のようなもので福利を生み続けます。
朝がんばる
一日の最低限のタスクは朝の内に大半を済ませてしまいましょう。
人によりますが、夜型の人は少数派です。
個人的には朝と夕方と夜は集中でき昼は何もできないタイプなので、
朝 一番大事なタスクをこなす
昼 散歩、マクロ組む、昼寝をする
夕 残りのタスクをこなす
5~6時には帰る
こんな感じで過ごしていました。でもやはり一番集中できるのは朝ですし、朝に大事なタスクが終わると、その後気楽に作業効率化に取り組めます。
そういう意味でも朝に大事なタスクをしてしまうことはおすすめです。
今日全力を出さない勇気を持つ
それは70点で止める勇気です。
完璧を目指したくなるのですが一旦止めます。すでに最低限はできているので問題はありません。
もし完璧を目指したいなら時間が余った時に、明日に疲れが残らない程度で行います。
最初は最低限しかやらないことに抵抗があったり、もう少しできるのではないか?と考えたり、慣れるまでは勇気がいるかもしれません。
2~3か月後の生産性は高いはずなので大丈夫です。
70点以上を出したら休憩する
もちろん学会など、締め切りが迫ってくると追い込みで一日で全力の70%以上を必要もあります。
しかし、疲れを残さず長期で成果を出し続けることへの必要性は変わらないので、学会のあとは休憩したり一日のタスク量を減らしましょう。
体験談
実際に、私の研究室の滞在時間は同期に比べて短かったのですが、誰よりも研究成果を出すことができました。これはあらゆる作業を最低限で止め、疲れを残さず、そこそこのパフォーマンスを維持できたからです。
研究室に配属されて2か月間は大きな成果が出ないのに5時に帰るので「お前ホントに大丈夫か~」と茶化されることもありましたが、勇気をもって帰ってました。
実際に3か月経ったころから生産性は研究室の誰よりもあった自信があります。
さらに、半分は運ですが、研究室に配属されてから3か月で後に学会賞を受賞するような研究成果も出ました。
作業効率については効率化の恩恵もあり、時間とともに高くなって行きました。
2年間かけて生産性が上がり続け、最終的に学科総代(主席)で修了することができました。
まとめ
大学院の期間は2年間と限られています。この記事が少しでも院生生活をより良いものにできたら幸いです。
ありがとうございました。